上京して17年になるとはいえ、そのほとんどは神奈川県で暮らしてきた。それなりに海があって山があって平野があって当然街もあって狭い中にも色々なものが押し込められている。東京の隣だけれど、東京とは少し違う。九州の田舎育ちの私には、ちょうどよいのかもしれない。

数年前のあの頃、身の回りがゴタゴタしていて、私は日常に疲れ「東京」に疲れていた。東京のパワーに圧倒され押し潰されそうになりながら、東京から少し離れた方向にレンズを向けることで何とか自分を保っていられた。

午後少し遅い時間から出かけると段々と陽が傾いていく。空は刻々と表情を変え柔らかい闇が世界を包む。

毎日、陽は昇り陽は沈む。
そんな当たり前のことを写真を撮ることで確認し
そんな当たり前のことに心動かされる自分がいる。
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